雑踏事故への警鐘が全国的に高まるなか、主催者が最も恐れているのは「事故の発生」です。明石の花火大会歩道橋事故や海外での群衆雪崩事故の記憶は、実行委員会に過剰とも言える警備態勢を強いる大きな動機となっています。
しかし、JR大津駅や京阪びわ湖浜大津駅周辺のオーバーツーリズム状態は、すでに個人の努力や現場の警備員の呼びかけで制御できる限界を超えつつあります。万が一、駅構内や周辺の狭隘な道路で大規模な雑踏事故が起きた場合、法的責任は誰が負うのか。実行委員会という任意団体に近い枠組みが、どこまで巨大なリスクを受け止めきれるのかという法的・倫理的議論は今も決着がついていません。