ディズニーのイマジニア(アトラクション設計者)たちが駆使している空間演出技法は、イラストレーションにおける視覚心理学の宝庫です。ビッグサンダー・マウンテンの構造には、実際よりも山を巨大に見せる「強化遠近法(Forced Perspective)」が徹底して組み込まれています。麓のサボテンや木造小屋は標準的な縮尺で作られていますが、山の頂上付近にある針葉樹や小屋の模型は小さく作られており、見上げるゲストに圧倒的な高さを錯覚させています。
イラストを描く際もこの心理効果を応用し、画面下部の要素(レールやサボテン)を太い線で濃く描き、上部の岩山や遠景の空を細い線と薄いトーンで処理することで、限られたキャンバスサイズの中に無限の奥行きを演出することが可能です。
【向いている表現・おすすめできる人】
手帳や絵日記にパークの思い出を鮮やかに残したい人、ウエスタンのレトロで温かみのある世界観が好きな人は、色鉛筆や水彩を用いた手書きスケッチが最適です。多少のデッサン狂いも「味わい」として昇華されます。
【慎重になるべき表現・注意が必要な人】
完全なリアル調の精密デッサンを目指す人は、構造の破綻に注意が必要です。鉱山列車の車輪や連結器、レールの枕木構造などは、ある程度本物の蒸気機関車のメカニクスを理解していないとチープに見えやすいため、下描き段階での資料収集が成否を分けます。