時計の針を巻き戻すと、チェ・スンヒョンのキャリアの歯車が大きく狂い始めたのは2017年6月のことでした。義務警察として兵役を履行中だった彼に、入隊前の大麻吸引容疑が浮上。ソウル地方警察庁麻薬犯罪捜査隊による家宅捜索と毛髪検査の結果、陽性反応が確認され、麻薬類管理に関する法律違反の罪で起訴されました。
直後、過度な精神的ストレスから宿舎で意識不明の重体となり、集中治療室(ICU)へ緊急搬送される事態が発生します。公の場で見せた表情の翳りや憔悴しきった車椅子姿は、当時の報道各社によってリアルタイムで全世界へ配信され、国内外に計り知れない衝撃を与えました。裁判の結果、懲役10月・執行猶予2年、追徴金1万2000ウォンの有罪判決が確定。義務警察の身分を剥奪され、社会服務要員へと転役して2019年7月に召集解除(除隊)を迎えることとなります。
この事件は単なる法的な処罰にとどまらず、韓国社会における過烈なバッシングの嵐を巻き起こしました。韓国の芸能界において薬物スキャンダルは致命傷であり、特に青少年のロールモデルたるトップアイドルに対する世論の追及は苛烈を極めます。召集解除後、SNSライブ配信で「韓国では復帰しない。人々があまりにも意地悪だ」と涙ながらに吐露した彼の姿は、社会復帰に対する絶望と恐怖を克明に物語っていました。この時期に味わった底知れぬ孤独と人間不信が、その後の「アイドル・TOP」の完全なる自己解体へのプロローグとなったことは間違いありません。