「僕らの理由」という楽曲が提示する最大のテーマ、それは「生きていること自体の絶対的な肯定」に他なりません。私たちが日常を過ごす中で、人は往々にして「何者かにならなければならない」「生きている価値を証明しなければならない」という強迫観念に苛まれがちです。
本作の歌詞全体を俯瞰すると、冒頭から一貫して語りかけられているのは、「何かを成し遂げたから素晴らしい」という条件付きの肯定ではなく、「今、息をしてそこに立っているだけで充分である」という無条件の肯定です。作詞作曲を手掛けた柳沢亮太(Gt)は、誰もが抱える挫折感や焦燥感に寄り添いながら、生きる理由を外側に求めるのではなく、内なる生命そのものに宿す視点を与えてくれます。
タイトルにある「僕らの理由」の「理由」とは、誰かに説明するための大義名分ではありません。泣いたり笑ったり、迷いながら呼吸を繋ぐことそのものが「理由」になるという深い真相が、言葉の端々から伝わってきます。