表舞台を退いた長瀬智也が、表現の核として選んだのは音楽だった。幼なじみであり盟友でもあるギタリスト久保田光太郎らと結成したロックバンド「Kode Talkers(コード・トーカーズ)」での活動は、かつてのアイドル像を完全に脱ぎ捨てた泥臭くも圧倒的なリアリティを放っている。
彼らが鳴らすのは、70年代のサザンロックやブルースを思わせる乾いたアメリカン・ルーツ・ミュージックだ。長瀬はボーカル&ギターとしてステージに立ち、汗まみれになりながら観客と至近距離で対峙する。キャパ数千人のアリーナではなく、息遣いまで届くライブハウスを巡るツアーを選択したこと自体が、彼の音楽に対する嘘のない宣戦布告と言える。
自ら詞を書き、ギターの弦をかき鳴らす姿には、商業的な計算など微塵もない。ただ純粋に、仲間と共に本物のグルーヴを生み出す喜び。その剥き出しのエネルギーは、目の肥えたロックファンすらも唸らせている。