女優・広末涼子という稀代の存在感を語るうえで、1990年代後半から2000年代にかけて残した金字塔を避けて通ることはできない。映画『秘密』で見せた繊細かつミステリアスな感情の揺れ、そして『鉄道員(ぽっぽや)』で見せた儚くも力強い眼差し。これらの作品は、単なるアイドル女優の域を超えて彼女が本物の表現者であることを証明した。
日本映画界において、重厚なヒューマンドラマを背負える主演級の女性キャストは決して多くない。スクリーンの前に立つだけで物語の空気を変えてしまう天性の才能は、歳月を経ても色あせていない。数々の賞に輝いたキャリアの実績があるからこそ、彼女の再起を待望するプロデューサー陣の熱視線は途切れることがないのだ。