彼のキャリアは、決して平坦なエスカレーターではなかった。元々は日本を代表するトップモデルとして、パリ・コレクションなどの大舞台で活躍していた経歴を持つ。しかし、俳優への転身を決意した当時の周囲の目は、必ずしも温かいものばかりではなかった。「モデル上がりのタレント」という偏見の壁が、彼の前に立ちはだかったからだ。
それでも彼は腐らなかった。端役からスタートし、泥にまみれるような役柄にも全力でぶつかっていった。セリフが一言しかない役でも、現場に誰よりも早く入り、役の背景をノートに書き殴る日々。その地道な積み重ねが、現在の彼の強固な土台を作っている。遅咲きだからこそ、散ることのない大輪の花が今、咲き誇っているのだ。