ネット上の言論空間、特にSNSや掲示板では、ベトナム人労働者に対して極端な二極化が見られます。一方では「不法滞在者の温床」「治安悪化の要因」といった厳しい視線が向けられ、もう一方の受け入れ企業の現場からは「彼らがいなければ明日から工場が止まる」「真面目で手先が器用、礼儀正しい」という絶賛の声が上がっています。
ベトナム人の国民性として、家族思いで上昇志向が強く、年長者を敬う文化が根付いている点は、日本の職場文化と親和性が高いと評価されています。都内の中小金属加工メーカーの社長は取材に対し、次のように胸の内を明かしています。
「『日本人が集まらないから仕方なく実習生を雇う』という感覚で接していたら大間違いです。彼らは日本語を必死に勉強し、数ヶ月でベテラン顔負けの作業スピードを身につけます。失踪するのは本人の資質ではなく、受け入れ側が彼らを対等な人間として遇していないか、ブラックな労働環境で使い潰しているからです」
ここで改めて問われるのが、企業と実習生を仲介する監理団体の役割と課題です。優良な監理団体は、母国語での相談ホットラインを24時間体制で稼働させ、メンタルケアや企業側の労務コンプライアンス指導を徹底しています。しかし、手数料を吸い上げるだけでトラブルが起きても現場に駆けつけない「ペーパー監理団体」がいまだに跋扈していることも事実であり、制度改定に伴う悪質団体の排除が急務となっています。