なぜ3月は「March」と呼ばれるのか。その語源を遡ると、古代ローマ神話における戦と農耕の神「マルス(Mars)」に行き着きます。ラテン語の「Martius(マルスの月)」が古期フランス語を経て、現代英語のMarchへと変化しました。
古代ローマ暦(ロムルス暦)において、現在の3月は実は「第1の月(1年の始まり)」として位置づけられていました。厳しい冬が終わり、雪解けとともに農業を再開し、軍隊が遠征・戦争を開始できる季節の幕開けを象徴していたためです。
紀元前46年にユリウス・カエサルがユリウス暦を導入し、年の始まりが1月に移行した後も、神マルスの名は3月の呼称としてそのまま受け継がれました。行進曲や前進を意味する動詞「march」と同じスペルを持つことも、軍隊の進軍に結びつく興味深い言語的連関といえます。