日村勇紀の口内環境が崩壊し始めたのは、お笑い芸人としての駆け出し時代にさかのぼる。当時の貧困と虫歯への恐怖心から病院通いを拒み続けた結果、症状は深刻化の一途をたどった。最初に奥歯が腐り落ち、物を噛むことすら困難な状態に陥ってもなお、彼は治療を先延ばしにし続けたという。食生活は自然と柔らかいものばかりになり、噛み合わせのバランスは完全に失われていた。
重度の虫歯は放置すればするほど根深くなり、やがて前歯のグラつきや抜け落ちへと連鎖していく。バラエティ番組の収録中に歯が取れそうになるハプニングや、話すたびに発音が漏れるといった仕事上の支障も顕著になっていった。口元を隠しながら笑う癖がつくなど、芸人としてのパフォーマンスにも暗い影を落としていた時期があったのだ。