SNSや動画サイト上には数多くのベランダ清掃ハックが存在しますが、中には集合住宅の構造を無視した極めて危険な情報も散見されます。典型的な誤解とNG行為を整理します。
最も危険なのが、「家庭用高圧洗浄機でベランダ床面と排水溝を一気に洗い流す」という行為です。戸建て住宅の1階テラスであれば問題ありませんが、マンションのベランダ床面はウレタン防水やFRP防水、塩ビシートで施工されており、経年劣化によって微細なクラック(ひび割れ)が生じている場合があります。そこに高圧の直噴水流を当てると、防水層を突き破って下地内部へ浸水し、階下漏水を誘発します。また、強い水圧で跳ね返った泥水が隣家の洗濯物や壁面を汚染するトラブルも後を絶ちません。
次に注意すべきは、「熱湯を一気に注いでヘドロを溶かす」という方法です。一般的なベランダの排水管には硬質ポリ塩化ビニル管(VP管・VU管)が使われており、耐熱温度は約60℃程度です。沸騰した100℃近い熱湯を繰り返し流すと、配管が熱変形を起こして継ぎ手部分の接着が剥がれ、壁体内での漏水事故につながります。ぬるま湯を使用する場合も、必ず50℃以下に抑える必要があります。