医療従事者の間や報道で耳にする医療用ベンチレーターは、日本語における「人工呼吸器」と実質的に同一の機器を指します。海外の医学論文や国際標準規格(ISO)では一般に「Mechanical Ventilator」と表記されるため、臨床現場でもそのまま「ベンチレーター」と呼称されるのが通例です。
ベンチレーターの仕組みは、設定された圧力や換気量に基づき、酸素と空気の混合ガスを規則正しく肺へと送り届ける陽圧換気が基本です。自発呼吸の有無や肺の状態に合わせて、微細なセンサーが患者の吸気努力を感知し、ミリ秒単位で圧力を制御します。
現在、医療機関で導入されている人工呼吸器の種類は、大きく2系統に分類されます。
- 侵襲的陽圧換気(IPPV):気管挿管や気管切開を行い、直接気道にチューブを留置して管理する方式。重症呼吸不全や全身麻酔手術時に用いられます。
- 非侵襲的陽圧換気(NPPV):専用マスクを顔面に密着させ、気管挿管なしで呼吸を補助する方式。侵襲を避けたい急性期や慢性呼吸不全の管理で選ばれます。
医療機器メーカーの技術開発により、2026年現在の最新機種ではAIを活用した同調性自動補正機能が標準搭載され、患者と人工呼吸器の呼吸リズムのズレ(非同調)を最小限に抑える設計が主流となっています。