ベンチプレスで「1回だけ持ち上げられる限界重量」を1RM(Repetition Maximum)と呼びます。MAX重量を測定するために毎回限界までバーベルを押し潰すような試技を行うのは、肩関節や大胸筋腱の断裂リスクが高く、実用的ではありません。そこで世界中のスポーツ現場で活用されているのが、日常のセットで扱った「重量×回数」から1RMを推計する計算基準です。
科学的に最も普及しているベンチプレス1RM計算式の代表例が「オコナー式(重量 × 回数 ÷ 40 + 重量)」と「ランダー式(重量 × 100 ÷ (101.3 - 2.6712 × 回数))」です。これらを統合し、日本のフィットネス現場で実用性の高い基準値としてまとめた早見表が以下のデータです。
このベンチプレス回数別換算において決定的に重要なのが、「10回を超えた高回数のセット記録は、MAX換算の信憑性が著しく落ちる」という生理学的現実です。15回や20回反復できる重量は、純粋な最大筋力(神経系の動員能力)ではなく筋持久力や乳酸耐性の影響が色濃く出ます。精度の高い1RMを導き出すには、原則として「3〜8回の間で限界を迎えた重量」をベースに算出するのが定石です。