大手フィットネスクラブや24時間ジムの現場を観察すると、一般利用者のリアルな重量分布が見えてきます。都内大手ジムのチーフトレーナーは次のように証言します。
「夕方のピーク時にフリーウェイトエリアを見渡すと、ベンチプレスを行っている男性のメインセット重量で最も多いのは50kg〜60kg(10回×3セット程度)です。プレートで言えば、片側に15kgや20kgを1枚ずつセットしている光景が全体の6割以上を占めています。片側20kgプレートを2枚ずつ付けた100kgでセットを組んでいる人は、1つの店舗でも数名見かける程度です」
SNSや筋トレ系コミュニティでは、見栄や承認欲求から「成功したベストリフトのみ」が投稿される傾向があります。さらに、お尻をベンチから大きく浮かせる「ケツ上げベンチ」や、バーが胸につく手前で切り返す「パーシャルレップ」など、公式ルールとはかけ離れたフォームで100kgを自称するケースも少なくありません。こうしたネット空間の偏った情報が、初心者に不必要な焦りを与えている実態が浮き彫りになっています。