本国オーストリアの首都ウィーンで1873年に創業した「カフェ ラントマン」。創立者であるフランツ・ラントマンが掲げた理想は、当時の知識人や芸術家が集い、対話を深めるための格調高き社交場であった。精神分析学の創始者ジークムント・フロイトが足繁く通い、思索を深めた場所としても広く知られている。
時代を超えて受け継がれてきたこの空間スタイルは、単なる飲食店という枠組みを超え、ユネスコ(UNESCO)の無形文化遺産にも登録された「ウィーンカフェ文化」の象徴だ。単に珈琲を飲む場所ではなく、時間を楽しみ、会話を交わし、思想を成熟させる場としての価値が世界的に認められている。
日本国内で上質な食の空間を多数手掛ける株式会社ピー・エス・コープは、この歴史的遺産とも言えるカフェ文化を日本へ忠実に移植することを決断した。長年にわたり飲食業で培ったノウハウと熱意を結集し、海外第一号店として選んだ地が、青山のランドマークであるAO青山ビルであった。本場の空気感と細部へのこだわりは、海を越えた今も完璧な形で保持されている。