ショーケースの前に立つと、どれを選ぶべきか誰もが頭を抱える。今シーズンのラインナップの中でも圧倒的な存在感を放つのが、名物のキャロットケーキと日替わりで登場する限定マフィンだ。実際に口へ運ぶと、その完成度の高さに驚かされる。
フォークを入れた瞬間に伝わるずっしりとした手応え。細切り人参とローストしたクルミ、レーズンが惜しみなく練り込まれた生地は、驚くほどしっとりとしていてジューシーだ。ナツメグとシナモンが放つエキゾチックな香りを、トップに塗られたミルキーで酸味のあるクリームチーズフロスティングが絶妙なバランスで包み込む。甘さは決して控えめすぎず、かといって重すぎない。本場アメリカの骨太さを残しながらも、後味はどこまでも軽やかだ。
一方、季節限定のブルーベリークランブルマフィンも見逃せない。外側はサクッと香ばしく、中はふんわり。果汁が弾ける大粒のベリーと、トップに散らされたバター風味豊かなクランブルの食感のコントラストが癖になる。午後には完売してしまうことも珍しくない。
週末ともなると店外まで長い列ができるが、狙い目は平日の午前10時半から11時半頃。開店直後の混雑が一段落し、すべての焼き菓子が出揃うゴールデンタイムだ。雨の日の午後も比較的スムーズに入店できる。テイクアウトなら、事前に電話で取り置きをお願いするのもスマートな選択肢だ。