ハワイ語で「切り分ける」「スライスする」を意味するポキ。古くは獲れたての小魚にハワイアンソルトや海藻(リム)、ローストしたククイナッツ(イナムナ)を揉み込んで食す素朴な漁師飯だった。この土着の料理を洗練されたハワイ料理(Hawaiian Cuisine)として世界に知らしめた立役者こそ、ハワイアン・リージョナル・キュイジーヌの創始者の一人であるサム・チョイ(Sam Choy)氏である。
サム・チョイ氏が立ち上げたポキ・フェスティバルを通じて、ハワイの豊かな多文化社会が育んだ味付けが体系化された。ハワイ州観光局(Hawaii Tourism Authority)の文化アーカイブでも語られる通り、日系移民が持ち込んだ醤油とごま油、中国系の香味野菜、西洋のスパイスが融合し、キハダマグロやメバチマグロを用いたアヒポキ(Ahi Poke)が誕生したのである。