大惨事を引き起こした谷本盛雄容疑者(当時61歳)は、事件後に重度のやけどと一酸化炭素中毒で倒れ、自らの口で動機を語ることなく死亡した。しかし、彼の足跡を辿ると、家族からの孤立、精神的な困窮、そして社会への強い攻撃性が絡み合った複雑な背景が浮き彫りになる。
過去に制作されたNHKスペシャルや各種の報道ドキュメンタリー番組では、彼がどのようにして社会的支援からこぼれ落ち、絶望を憎悪へと変えていったかが精緻に検証された。自暴自棄の果てに無関係な人々を巻き込む「拡大自殺」の心理構造は、現代社会が抱える闇そのものと言える。孤立を防ぎ、社会的なSOSを早期にキャッチする仕組みが機能していれば、悲劇は防げたかもしれないという悔恨が残る。