シャッター音は朝の目覚ましであり、夜の静寂を打ち消す合図でもあった。写真集『私生活』の制作において、二人が選択した撮影スタイルは常軌を逸していた。メイクを落とした直後の素顔。疲弊しきった表情。時には感情を露わにする瞬間さえも、レンズは容赦なく捕らえた。
さらに、その集大成として発表された写真集『我我』では、被写体と撮影者の境界線が完全に瓦解する。そこにあったのは、見せるための演技ではない。カメラが存在することを前提とした、異常なまでに純粋な生の実態だ。生活と表現が完全に不可分となった日々の中で、二人は言葉を超えた対話と対立を繰り返し、写真を未知の領域へと押し上げていった。