極地特有の日照条件と大気循環システムも、寒さの質を決定づける要因です。
両極ともに、数か月にわたって太陽が昇らない「極夜」と、一日中沈まない「白夜」が交互に訪れます。しかし、夏に白夜が訪れて太陽光が降り注いでも、極地を覆う清浄な新雪は太陽光の反射率(アルベド)が約80〜90%と極めて高く、熱エネルギーのほとんどを宇宙空間へと跳ね返してしまいます。
さらに注目すべきは、南極圏を取り巻く特異な大気と海流のバリアです。南極大陸の周囲には、強い偏西風と「南極周極流」と呼ばれる巨大な海流が環状に渦巻いており、これが低緯度(赤道方面)からの暖かい空気や海水の流入をシャットアウトしています。いわば「冷気の隔離空間」が年中維持されているため、極端な冷却現象が自己増幅していくメカニズムが働いています。