『ほんとにあった怖い話』シリーズの屋台骨といえば、クラブリーダーを務める稲垣吾郎と子どもたちによる「ほん怖クラブ」の存在を置いて他にない。小学生のメンバーたちと共に怪談を振り返り、恐怖に震えながらも最後には「イワコデジマ、イワコデジマ」の呪文で邪気を払う掛け合いは、長年培われたシリーズの様式美である。
稲垣吾郎が醸し出す独特の落ち着いた語り口とミステリアスな佇まいは、容赦ない恐怖映像の合間に訪れる唯一のシェルターとして機能する。だが、その穏やかなスタジオの空気感があるからこそ、次に待ち受けるドラマ本編の禍々しさがより一層際立つ。緩急自在の構成が視聴者を惹きつけて離さない。