日本発祥の料理であるならば、一体誰が「ジンギスカン」と名付けたのでしょうか。歴史研究者の間ではいくつかの説が存在しますが、最も有力視されているのが農学者で南満州鉄道(満鉄)の社員でもあった駒井徳三(こまい とくぞう)氏による命名説です。
駒井氏は1918年(大正7年)頃、中国・北京の伝統的な羊肉料理「烤羊肉(カオヤンロウ)」に着想を得て、羊肉の薄切りをタレで焼く料理を考案し、これに「ジンギスカン」と名付けたと手記などで述べています。
背景には、当時の日本の国策がありました。第一次世界大戦を機に羊毛の輸入が途絶えた日本政府は、1918年に「綿羊百万頭計画」を打ち出し、全国で羊の飼育を奨励します。その結果、羊毛を採取した後の「羊肉」をどのように有効活用して美味しく消費するかが急務となり、官民を挙げたレシピ開発が進められたのです。