『北斗の拳』の誕生を語る上で欠かせないキーパーソンが、当時『週刊少年ジャンプ』の担当編集者であり、後に第5代編集長や株式会社コアミックス代表取締役を務める堀江信彦氏です。
事の発端は、原哲夫氏が描いた読切作品『鉄の処女』や『北斗の拳』(短編版)でした。中国拳法と人体の秘孔という斬新なアイデアに確信を持った堀江氏は、当時大ヒットしていた映画『マッドマックス2』の世紀末的な世界観を取り入れることを提案。さらに、壮大な人間ドラマを構築できる原作者として白羽の矢を立てたのが武論尊氏でした。
「お前はもう死んでいる」「ひでぶ」「あべし」といった伝説的な名セリフや断末魔の叫び、哀愁漂う強敵(とも)たちの死に様は、武論尊氏の研ぎ澄まされた構成力と、原哲夫氏の鬼気迫る画力、そして堀江編集者の鋭い演出感覚が三位一体となって結実した奇跡の産物でした。