北朝鮮「喜び組」の実態と現在|脱北者が明かす選抜基準と引退後の運命にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

喜び組の要員発掘は、北朝鮮全土の中学校・高級中学校(日本の高校に相当)や平壌音楽舞踊大学などの芸術系教育機関を舞台に、秘密裏に行われます。選抜を担当する幹部5課の指導員たちは定期的に地方を巡回し、候補となる少女たちをリストアップします。このプロセスにおける選抜基準は極めて厳格かつ非情なものです。

まず最重要視されるのが「出身成分(ソンブン)」と呼ばれる階級制度です。本人のみならず、直系・傍系を含む親族3代にわたって反体制的な経歴や脱北者、海外渡航歴、思想的な問題がない「核心階層」の家庭であることが絶対条件とされます。思想統制を徹底できる血統的背景が確認された後、厳密な身体的審査へと進みます。

身体検査では、身長165cm以上(金正恩体制下では168cm以上が好まれる傾向)、均整の取れた体型、白く傷のない肌、顔立ちの美しさが厳格にチェックされます。さらに、平壌の最高級病院である烽火(ボンファ)診療所などで行われる精密検査において、盲腸の手術痕などわずかな傷跡の有無や、婦人科検診による処女性の確認が徹底的に行われます。

選抜対象となる年齢は14歳から16歳前後であり、選考を通過した少女たちは親元から完全に引き離されます。平壌郊外の厳重に警備された合宿施設に送られ、外国語、礼儀作法、専門的な芸術技術、指導者に対する絶対忠誠を叩き込む洗脳教育を受けます。そして、活動期間には厳格な年齢制限が設けられており、25歳前後を迎えると「現役引退」を余儀なくされるのが鉄則です。