原材料を見れば、両者の生い立ちは対極にある。バターは生乳から遠心分離で取り出した乳脂肪を練り上げたものだ。日本の規格では乳脂肪分80.0%以上と厳格に定められており、濃厚な風味と特有の口溶けはすべてミルク由来の恵みによる。
対するマーガリンは、植物性油脂や動物性油脂を原料に、水分や乳化剤を加えてエマルション化(乳化)させた加工食品だ。農林水産省が管轄する規格基準において、油脂含有率が80%以上のものがマーガリン、80%未満のものは「ファットスプレッド」と区分される。
食品栄養科学の視点から比較すると、カロリー自体に劇的な差はない。100グラムあたりバターが約700〜750キロカロリー、一般的なマーガリンも同等の数値を記録する。決定的な差は脂肪酸の構成だ。バターは飽和脂肪酸が多く含まれるため常温では固まりやすく、マーガリンは不飽和脂肪酸が中心で柔らかさを保つ。体質や摂取バランスに応じた選択が求められる。