ネット上の一部コミュニティでは「ばらかもんは打ち切りで終了したのではないか」という根拠のない噂が散見されます。しかし、出版元のガンガンONLINE編集部の掲載推移や作者インタビューの記録を精査すると、この説は完全に誤りであることが明白です。
『ばらかもん』は単行本全18巻(のちにドラマ化記念で『18+1巻』が刊行)をもって、極めて美しい形で完結を迎えました。連載当初から提示されていた「自意識過剰で親の七光りに苦しむ書道家が、いかにして自分だけの書を見出すか」というテーマは、物語の進行とともに過不足なく昇華されています。
最終回に向けたクライマックスでは、清舟が再び東京の権威ある書道展に挑む場面が描かれます。かつてのように「評価されるため」「父親を超えるため」ではなく、「島で出会った大切な人々への想い」を筆に乗せた清舟は、大賞こそ逃すものの、自らの表現に一切の悔いを残さない境地へと到達しました。
そして物語の結末において、清舟は東京の名声にすがりつく生き方を完全に手放します。五島列島へと戻り、島の子どもたちに書道を教える私塾を開設。ヒロインである琴石なるをはじめとする島民たちに囲まれながら、「書道家・半田清舟」ではなく「島の先生」として生きていく決断を下しました。この爽やかで必然性のある幕引きこそが、本作が名作として語り継がれる最大の要因です。