警察庁刑事局組織犯罪対策部が公表する統計を見ても、構成員数は年々過去最少を更新し続けている。だが、数字の減少がそのまま治安の向上を意味するわけではない。国内最大の指定暴力団である六代目山口組を筆頭に、残された組織は生き残りをかけて資金獲得の手法を根本から刷新した。
現在、彼らが依存するのは古典的な賭博や恐喝ではない。マネーロンダリング、暗号資産の不正流出、国際的なオンラインカジノの運営、さらには特殊詐欺グループへのインフラ提供だ。表向きはITコンサルティングや経営企画を装うダミー会社が無数に設立され、国境を越えた資金洗浄ルートが構築されている。
表層の取締りが強まれば強まるほど、マネーは深い地下経済へと浸透していく。暴力団という明確な組織構造から、実体の見えないネットワーク型の犯罪インフラへ。六代目山口組をはじめとする組織上層部に上納される莫大な資金は、いまやデジタル空間の暗号化されたデータの波に紛れ込んでいる。