浜松といえば、誰もが第一に思い浮かべるのがウナギだろう。駅構内で異彩を放ち続ける「元祖うなぎ弁当」は、まさにこの地が誇るご当地グルメの金字塔だ。冷めても柔らかくジューシーな肉質を保つための焼きの技術と、長年受け継がれてきた秘伝の濃密なタレが、温かいご飯に見事なまでに絡み合う。
ふたを開けた瞬間に広がる甘辛い香りは、周囲の乗客の視線を一瞬で集めてしまうほど官能的だ。添えられた山椒の爽やかな辛みがアクセントとなり、最後まで一切飽きさせない。単なる名物料理の再現にとどまらず、列車内で食べることを前提に計算し尽くされた仕立ては、長年培われた職人技の賜物だ。