「自己責任だから安ければいい」という理屈は、日本の法制度と医療の現実の前では通用しない。
国内の医薬品は、医薬品医療機器等法によって有効性と安全性が厳格に担保されている。正規の医療機関で処方された薬によって万が一重篤な副作用が生じた場合、国の公的制度である「医薬品副作用被害救済制度」によって医療費や給付金が支給される仕組みが整っている。
しかし、個人輸入代行や違法通販で手に入れた海外製偽造薬を服用して倒れた場合、このセーフティネットは完全に遮断される。集中治療室に運ばれ、後遺症が残ろうとも、治療費は全額自己負担。さらに、成分不明の薬を飲んだ患者に対し、医師も解毒剤や処置の選択に頭を抱えることになる。