家庭でプロ級の舌触りを実現するための命題、それが「黄金比率」の徹底だ。卵の凝固作用と出汁の水分量の関係は極めて繊細である。結論から言えば、最も美しく固まる卵液の水分比率は、卵1に対して出汁(水+白だし)が「3から3.5」の割合である。Mサイズの卵1個(約50ml)に対し、液体全体で150mlから175mlを合わせるのが理想的だ。
白だしの希釈率は、使用するメーカーの濃縮度(一般的には9倍〜10倍希釈)に合わせて調整する。水150mlに対して白だし大さじ1(15ml)前後を基準とし、卵と優しく混ぜ合わせる。ここで最大のポイントとなるのが「卵液を必ず漉(こ)す」作業だ。万能こし器や茶こしで2回ほど濾過することで、カラザや溶け残った白身の固まりを取り除き、シルクのようななめらか食感への扉が開かれる。