サモエドと暮らす上で最大の試練となるのが、換毛期の抜け毛だ。春と秋の年2回、アンダーコートが一気に抜け落ちる時期には、ブラッシングをするたびにバケツ数杯分の毛が宙を舞う。掃除機を1日に3回かけても追いつかない。服も、ソファも、朝食のトーストにさえ白い毛が付着する。
この凄まじい需要に応えるように、近年のペット産業では超強力な業務用ブロアーや、抜け毛を瞬時に吸引する特殊グルーミングバキュームなどの専用機器が次々と開発されている。月に1〜2回のプロによるトリミング費用は、大型犬の毛量ゆえに1回あたり2万〜3万円を超えることも珍しくない。日々のブラッシングを怠れば、皮膚がフェルト状に固まり、通気性を失って重度の皮膚炎を引き起こすリスクがある。