「ワンピース屈指の名言『敗北者じゃけぇ』はなぜここまで語り継がれるのか?」という疑問に対する答えは、「作中の絶望感」と「ネット社会特有の弄り(パロディ)親和性」が完璧に噛み合ったことにあります。
2010年代初頭、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の「なんでも実況J(なんJ)」などを中心に、この一連のシーンは爆発的な勢いでテンプレ化されました。特に、エースが挑発を無視してそのまま逃げていれば何千人もの仲間や白ひげの自己犠牲が無駄にならなかったという「あまりにも不条理な行動選択」が、ネットユーザーのツッコミ精神を強く刺激したのです。
「乗るなエース!戻れ!」という仲間たちの悲痛な叫びに対し、煽り耐性ゼロで激昂してしまうエースの心理状態が、野球の実況スレッドや日常の不毛な口論のパロディとして極めて使い勝手が良かった事実が挙げられます。さらに、原作では「先の時代の“敗北者”じゃけェ…!!!」と語尾が伸びている台詞が、ネットスラングとして切り取られ「敗北者じゃけぇ」と簡略化されたキャッチーな語感を獲得したことも、拡散を何倍にも加速させました。
シリアスな大悲劇でありながら、第三者目線で見ると「絵に描いたような挑発に真正面から釣られてしまった構図」としての喜劇性を帯びていたこと。この二面性こそが、SNS時代を経ても風化せず愛され続けるミームとなった核心です。