「fish」に関しては、ネット上でいくつかの誤った解釈や噂が一人歩きしているケースが見受けられます。長年の取材データと公式発言をもとに、主要な誤解を是正します。
第一に、「この曲はタイアップのために書き下ろされた商業的楽曲である」という誤認です。実際には前述の通り、インディーズ期(2009年頃)から存在していたプライベートな楽曲であり、タイアップの制約を受けずに清水の個人的情動のみで紡がれた純度の高い作品です。
第二に、「単なる未練タラタラな女性の愚痴を描いた曲」という皮相的な見方です。構造的に見れば、本作は「別れを告げた側のずるさ」と「告げられた側の受容のプロセス」を多層的に描いた心理劇です。振られた側の弱さだけでなく、優しさという仮面を被って責任から逃れようとする男性側の欺瞞を、女性視点を借りて痛烈に告発している点こそが、本作の本質的な深みと言えます。