彼が率いた主軸企業である末野興産は、不動産業を表面上の看板に掲げつつ、裏では無軌道な手形割引や転売取引を繰り返していた。土地価格の神話が信じられていた時代、担保価値を不当に吊り上げた不動産融資はとどまることを知らなかった。
その歪みが一気に噴出したのが、住宅金融専門会社(住専)の破綻劇である。公的資金投入という前代未聞の事態を引き起こした最大の元凶として、住専各社から巨額の無担保融資を引き出していた貸付先リストの頂点にその名が刻まれていた。金融業のルールを根底から踏みにじるその手法は、日本社会全体に決定的なダメージを与えたのだ。