抜歯を回避できる可能性を劇的に跳ね上げたのが、近年のテクノロジー革命だ。従来は難しかった「奥歯をさらに後ろへ動かす(後方移動)」治療法が実用化したことで、従来なら歯を抜くしかなかった難症例でも歯列全体の後退が可能となった。その中核を担うのが、歯ぐきの骨に小さな金属ネジを埋め込んで強力な支点とするアンカースクリュー矯正である。
さらに、米アライン・テクノロジー社が提供する代表的なマウスピース型装置「インビザライン」などのアライナー矯正も進化を遂げた。精密な3Dシミュレーションとデジタルスキャン技術により、歯の移動量をコンマ数ミリ単位で正確に制御できるようになり、アンカースクリューと組み合わせることで従来の抜歯症例の多くを非抜歯へ切り替えることに成功している。