鈴木登紀子さんは2026年12月28日、肝不全のため都内の自宅で息を引き取りました(享年96)。晩年は入退院を繰り返す時期もありましたが、最期まで施設や療養病床ではなく、長年慣れ親しんだ自宅で家族に見守られながら静かに旅立ちました。
驚くべきは、亡くなる直前の12月初旬まで仕事への情熱を燃やし、自宅の台所に立ち続けていた点です。体力が落ちてからも、椅子に腰掛けながら味付けの指示を出し、煮物の火加減や盛り付けの美しさに目を光らせていました。
彼女が最期まで厨房に立ち続けた理由は明白でした。「お料理は人を幸せにするもの。台所は家族の命と心を育む場所」という揺るぎない信念があったからです。食べる人の笑顔を見ること、そして日本の伝統的な味の記憶を次の世代へ手渡すことが、彼女自身の生きるエネルギーそのものでした。