1巻の大ヒットを受け、シリーズは第2巻へと続いた。続巻というのは、時に「1巻の勢いをそのまま引き継げない」という難しさがある。しかし美月りんはその課題を正面から受け止めた。
第2巻では、母と姉に虐げられて育った菫が、借金返済代わりにヤクザへ売られたけれど、若頭の桐也に見初められ結婚することになり、自分を捨てた家族と決別し、新しく幸せを育む居場所と巡り会えた後の日常が描かれる。溺愛の日々を送る中で、菫は自分に出来ることを探していく物語だ。
ハッピーエンドの「その先」を描くことは、読者への誠実な向き合い方でもある。単純な「幸せになりました」で終わらせず、二人のキャラクターがどう生きていくかを丁寧に描写するスタイルは、美月りんの作家としての誠実さを物語っている。