仙台のスポーツ史を紐解くとき、このアリーナの床に刻まれた汗の痕跡を素通りすることはできない。かつてプロバスケットボールチームが熱戦を繰り広げ、会場中が地鳴りのようなブースターの声援に包まれた記憶は、今もオールドファンの間で鮮明に語り継がれている。
だが、この施設の真骨頂はトップスポーツの興奮だけにとどまらない。平日の夕暮れ時、学校帰りの小中学生がバドミントンラケットを握りしめて駆け込んでくる。隣のコートでは、定年を迎えたベテランたちが卓球の球筋を鋭く見極める。華やかなライトアップの裏側で、市民一人ひとりのささやかなドラマを何万回と受け止めてきた頑丈な床板こそが、この場所の誇りだ。