引越し経験が豊富なベテラン層の中には、「昔は引越し当日に頼めば家具も家電も無料で引き取ってくれた」と記憶している方が少なくありません。こうした引越し不用品回収無料の経緯には、業界の歴史的背景が存在します。
かつて平成の初期から中期にかけては、現場ドライバーの裁量によって「空きスペースがあるから持っていってあげる」というグレーな無料回収が常態化していました。回収された不用品は、作業員が解体して鉄くず屋へ売却したり、海外輸出ルートへ横流しされたりして非公式に換金されていたケースがありました。しかし、2000年代以降のコンプライアンス順守の強化、不法投棄に対する罰則の大幅な引き上げ、そして企業の社会的責任(CSR)への要求の高まりに伴い、そうした違法まがいの無料引き取りは業界全体から完全に一掃されました。
現在のアート引越センターでは、処分ではなくリユースを目的としたアート引越センター不用品買取詳細まとめに見られる通り、外部の専門リユース企業やグループ企業と連携した買取査定の仕組みを導入しています。ただし、以下の条件を満たさない限り、高値での買取や引き取り成立は望めません。
- 製造年からおおむね5年以内の主要メーカー家電(生活家電・デジタル家電)
- 目立つ傷や汚れ、タバコ臭などのダメージがない状態
- 有名ブランド家具(ノーブランド家具や組立家具は原則として査定対象外)
査定がつかない品物はそのまま自宅に残されるため、「買い取ってもらって不用品を処分しよう」と安易に目論んでいると、引越し当日に荷物が減らず混乱を招くリスクがあります。