サンの本名はチェ・サン(崔傘 / Choi San)。1999年7月10日、韓国の慶尚南道南海郡(ナムヘぐん)に生まれました。「サン(傘)」という名前には、韓国語で「山」を意味する言葉の通り、「誰かにとっては安らぎを与える温かい丘になり、誰かにとっては決して侮ることのできない険しく雄大な山になりなさい」という父親の深い願いが込められています。彼は南海郡出身として初のK-POPアイドルであり、後年には同郡の広報大使にも正式委嘱されるなど、故郷の誇りとして温かく称えられています。
サンの基礎体力を語る上で欠かせないのが、父親がテコンドー道場を運営していたという家庭環境です。サン自身もテコンドー公認3段の有段者であり、幼少期から徹底して培われた体幹の強さ、柔軟性、そして空間把握能力は、後のダイナミックなアクロバットや激しいステップワークの揺るぎない土台となりました。
しかし、最初からダンスのエリート街道を歩んでいたわけではありません。2016年にKQエンターテインメントへ練習生として入社した当初、サンはボーカル志望であり、ダンスの専門教育をほぼ受けたことがありませんでした。周囲のハイレベルな練習生たちに追いつくため、誰よりも早く練習室に入り、最後まで残って鏡と向き合う日々を重ねたといいます。公式インタビューでも「鏡の前に立って、指先の角度一つ、表情筋のミリ単位の動きまで研究し尽くした」と回顧しており、天賦の才というよりも徹底した努力の積み重ねによって自らを再構築した叩き上げの経歴こそが、彼の真骨頂です。