物語は、幕末の京都で「女に学問は不要」と教え込まれていたあさが、好奇心と行動力によって自らの運命を切り拓いていく姿から幕を開けます。大坂の両替商・加野屋に嫁いだあさは、維新の動乱による大名貸しの焦げ付きという未曾有の危機に直面。持ち前の突破力で九州の炭鉱経営に乗り出し、落盤事故や坑夫たちとの対立を乗り越えて事業を軌道に乗せます。
その後、あさは時代の変化を見据えて「加野銀行」を設立し、さらに複数の保険会社を統合して「日の出生命」を創業。実業家として頂点を極める一方で、教育者・成澤泉(モデル:成瀬仁蔵)との出会いを機に、日本初の女子高等教育機関「日の出女子大学」の設立に私財を投じて奔走します。事業の拡大と女子教育への情熱という二つの大業を成し遂げたあさの原動力は、幼少期から貫いてきた「九転び十起き」の不屈の精神でした。
最終回では、最愛の夫・新次郎を看取った後のあさの晩年が描かれます。実業界の第一線を退いたあさは、静岡の別荘で若い女性たちを集めた勉強会を開催。そこには、後に女性参政権運動の旗手となる若き平塚らいてう(劇中名:平塚はる)の姿もありました。「世の中の役に立つ人間になりなさい」「柔らかい心を持ちなさい」という言葉を次世代に託したあさは、一面に広がる菜の花畑の中で、若き日の新次郎の幻影と再会。永遠の愛と感謝を交わしながら、あたたかな光に包まれて物語は静かに幕を下ろしました。