白い服が好まれる理由は、単なる気候対策にとどまりません。イスラム教の宗教的規範において、白は極めて神聖で推奨される色と位置づけられています。
預言者ムハンマドの言行録(ハディース)には、「白い衣服を着用せよ。それは最も清らかなものであり、最良のものである」という教えが残されています。イスラムにおいて白は「純潔」「謙虚さ」「平等」の象徴であり、神の前では貧富の差なく誰もが平等であるという精神を表しています。
また、生涯に一度義務づけられるメッカへの大巡礼(ハッジ)の際にも、男性信徒は「イフラーム」と呼ばれる縫い目のない2枚の白い布を身にまといます。死者を包む経帷子(カファン)も白であることから、白い服を日常的に着ることは、自らの行動を律し、常に心を清らかに保つという宗教的な祈りも込められています。