やなせ氏の才能は漫画や絵本だけに留まらない。彼が作詞を手がけた童謡「手のひらを太陽に」は、時代を超えて日本の教科書に掲載され、今なお多くの子供たちに歌い継がれている。「ミミズだって オケラだって アメンボだって」というフレーズに込められた命への慈しみは、彼のあらゆる作品に通底するテーマだ。
1988年にテレビアニメ放送が始まった『それいけ!アンパンマン』は、登場キャラクター数でギネス世界記録に認定されるほどの巨大IPへと成長した。キャラクタービジネスのあり方を刷新し、日本のアニメーション産業に計り知れない経済的・文化的価値をもたらした。株式会社フレーベル館をはじめとする関係各社と共に築き上げたそのエコシステムは、今日のアニメ産業の基盤モデルの一つとなっている。