雪の女王が放つ存在感の真骨頂を味わう上で外せないのが、1992年に公開された劇場版アニメの傑作『それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ』をはじめとする映画作品群だ。映画ならではのスケール感と緻密な作画で描かれる氷の世界は、圧倒的な美しさと絶望的な危機感を同時に演出する。テレビ版のコミカルな展開とは一線を画す重厚なトーンが強いインパクトを与えた。
劇場版において彼女が引き起こす事件は、主人公たちの絆や勇気を試す最大の試練として立ちはだかる。氷づけにされる仲間たち、絶体絶命の危機の中でなお立ち上がるアンパンマン。幾重にも張り巡らされたドラマは、劇場の大画面で観る者を惹きつけて離さない。作品の歴史においても、屈指の緊張感を生み出した立役者と言えるだろう。