1980年代半ば、アジアの映画産業は空前の熱気に包まれていた。なかでも台湾映画界が生み出した映画『幽幻道士(キョンシーズ)』のインパクトは、国境を越えて日本のエンタメ界を激震させた。コミカルな道士とキョンシーたちのバトル、そして息の合ったカンフーが融合したアクションホラーは、それまでのホラー映画の概念を覆す革新的な娯楽作だったのだ。
その中心で光を放っていたのが、当時わずか10歳前後だったテンテンである。可愛い法術師という斬新なキャラクター設定は、一瞬でお茶の間を虜にした。映画館の立ち見席まで超満員となり、関連グッズは売り切れが続出。まさにひとつの時代を象徴するポップカルチャーの誕生だった。