最終盤における最大の焦点は、「世界を滅ぼす魔物を、誰の手で葬るのか」という点に集約されていました。柳沢誇太郎および二代目「死神」との死闘を制した殺せんせーでしたが、その代償はあまりにも大きく、激闘によって満身創痍の極限状態に追い込まれます。さらに、政府が秘密裏に配備していた対殺せんせー衛星レーザー兵器「天の矛」の発射リミットが午前0時に迫り、外郭からは完全遮断結界「地の盾」によって退路を完全に断たれていました。
この状況下で、殺せんせーは自分を他人の手や冷徹な国家兵器で処分させるのではなく、手塩にかけて育て上げた生徒たちの手で「卒業」させてほしいと願います。生徒たちもまた、恩師を苦しませることなく、自分たちの絆の証明として暗殺を完遂する道を選びました。
全28名の生徒全員が恩師の黄色い触手を1本ずつ押さえつけ、逃げ場を塞ぎます。殺せんせーは最期の願いとして、教員人生の集大成である「最後の出席確認」を要求。一人ひとりの名前を呼び、生徒たちが涙声で返事をするシーンは、読者の涙腺を激しく揺さぶりました。
そして、ナイフを握る役目を担ったのが潮田渚です。暗殺者としての類まれな天賦の才能を見出されながらも、誰よりも殺せんせーを慕っていた渚は、激しい慟哭とともに刃を突き立てようとします。しかし、取り乱す渚を優しく制した殺せんせーは、穏やかな口調で「落ち着きなさい、渚君。怒りに任せて殺してはいけません」と語りかけました。呼吸を整え、純粋な感謝と敬意を込めた渚の対先生ナイフが、ネクタイの月マークの真下にある心臓へと吸い込まれます。殺せんせーの直接の死因は、教え子である渚による急所へのナイフ刺突でした。恩師の肉体は淡い光の粒子となって夜空へと霧散し、椚ヶ丘中学校3年E組の長きにわたる「暗殺任務」は名実ともに幕を閉じたのです。