2014年2月に開催されたソチオリンピック。フィギュアスケート女子シングルショートプログラム(SP)で浅田真央さんはまさかの16位と大きく出遅れ、日本中に大きな衝撃が走りました。しかし、翌日のフリースケーティングで披露したラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』は、すべてのジャンプを着氷させ自己ベストを更新。順位こそ6位入賞にとどまったものの、全世界のスケートファンを揺さぶる歴史的名演となりました。
この劇的な演技直後、ロシア・ソチの現地選手村に一本の電話が入ります。受話器の主は、東京の首相公邸で深夜の生中継を見届けていた安倍晋三首相(当時)でした。安倍総理は時差を気にかけつつも、溢れる感動を直接伝えるべく国際電話をつなぎ、「日本中が感動した。本当によく頑張ったね」と彼女の不屈の闘志を心から称えました。
重圧に打ち克ち涙を流した浅田さんに対し、最高権力者である首相が一人の国民として胸を打たれ、即座に直接言葉を届けたこのエピソードは、今なおスポーツ界と政界の枠を超えた名場面として語り継がれています。