かつて日本のAmazon配送は、ヤマト運輸や日本郵便といった大手運送会社がその大部分を担っていた。長年にわたり培われた地域ごとの詳細な住宅地図データと専任ドライバーの経験値は、誤配送を極限まで防ぐ防波堤として機能していた。
しかし、配送コストの最適化と自社コントロール比率の引き上げを狙い、配送の主軸は独自のデリバリープロバイダ網へと急速にシフトした。大手運送各社に比べてドライバーの入れ替わりが激しく、地域の地理に不慣れな配達員が増加したことが、配達精度のばらつきを生む一因となっている。
大手キャリアの熟練した配達員であれば防げたはずの「類似住所の取り違え」が、新規参入の多い独立系プロバイダの現場では見落とされやすい。インフラの自社化が進んだ結果、高品質な日本の配送基準と現場のオペレーション能力との間にギャップが生じている。