通りすがりの目には異様に映る外壁のガラス張りだが、建築の文脈から読み解くとまったく別の姿が見えてくる。設計を担当した気鋭の建築家は、従来の日本家屋が持っていた「壁で外界と隔てる」という固定観念を打ち破り、都市における開放感と光の取り込みを極限まで探求していた。洗練された建築デザインは、周囲の視線と内部の快適性をいかに両立させるかという高度な実証的試みでもあったのだ。外部から透けて見えているように思えても、内部からは計算された死角や吹き抜け空間によって居住空間の平穏が保たれている。前衛的な挑戦ゆえに、一般の常識的な住宅観を超越してしまったのが事の本質だ。