社会現象を巻き起こした『君の名は。』(2016年)に続き、二度目のタッグとなった新海誠 映画 コラボにおいて、「愛にできることはまだあるかい」の誕生は映画そのものの運命を大きく左右しました。
公式インタビューや当時の制作手記によると、2017年8月、新海監督が書き上げたばかりの『天気の子』のプロットを受け取った野田洋次郎は、そこから数ヶ月の思索を経て2曲のデモ音源を監督に送付しました。それが「愛にできることはまだあるかい」と「大丈夫」だったのです。
音源を聴いた新海監督は後に「この曲を聴いた瞬間、帆高と陽菜が向かうべきラストシーンの方向性が完全に定まった」と述懐しています。当初のシナリオからより尖った、観客の間で賛否両論を呼ぶことを恐れないラディカルな選択へと舵を切る決定打となったのが、まさにこの楽曲の持つ切実な響きでした。RADWIMPS 天気の子 主題歌として位置づけられた本曲は、後付けのタイアップではなく、映画の骨格そのものを形作った原点と言えます。